herb

かきどおし

学名
Glechoma hederacea Linn. subsp. grandis (A. Gray) Hara
科名
シソ科
別名
疳取草(カントリソウ)
昔から使われてきた利用効果
  • 利尿
  • 冷え改善
  • 風邪予防
  • かゆみ止め
  • 抗菌
  • 滋養強壮

葉の形が古銭に似ており生薬では連銭草と呼ばれる

葉の形が古銭に似ており生薬では連銭草と呼ばれる

開花時期より前に葉茎は直立しはじめる

開花時期より前に葉茎は直立しはじめる

4月下旬に紅紫色の花をつける

4月下旬に紅紫色の花をつける

根は残し根元の茎より上部を採取

根は残し根元の茎より上部を採取

花が終わる5月下旬には葉茎は倒れて地表をはうようになる

花が終わる5月下旬には葉茎は倒れて地表をはうようになる

民間薬草研究家 井澤敏のひと言

終戦後、南方より帰還した人たちが、疥癬(かいせん)というダニが寄生する皮膚病に対して、ドラム缶に水とかきどおしを入れて煮出し、そこに入って治していたことを思い出します。私が2〜3歳の頃のかすかな記憶にある光景です。

利用情報

採取時期 5〜7月
利用部位 全草
利用方法
  • 飲用
    採取した全草を水で洗い、陰干しにします。完全に乾燥したら、お好みで焙煎(フライパンなどで煎る)します。飲みやすくなり長く保存できます。乾燥または焙煎したものを、薬缶で煎じるか急須に淹れて、お茶として飲みます。緊急時など生のものを使用する場合は、水に対して多めに全草を入れ煎じるのがポイントです。解毒作用に優れているといわれ、糖尿病・風邪の予防、滋養強壮に使われてきました。よもぎなど相性のよい薬草と一緒に飲むことをおすすめします。
  • 食用
    若芽、蔓は茹でて胡麻醤油のお浸しに、硬くなったものは天ぷらにして食べます。
  • 浴用
    よもぎ・おおばこ・どくだみ・びわの葉と一緒に、全体で1〜2つかみ程度の量を布袋などに詰め、お風呂に入れます。かゆみ止め、冷えの改善、美肌づくりに使われてきました。
  • 塗用
    おおばこ・よもぎ・またたびの実(虫癭果と呼ばれるデコボコした形状)と一緒に焼酎で煎じた液を患部に塗ります。水虫・たむし・虫さされのかゆみ止めに使われてきました。
相性のよい薬草
  • とうもろこしのひげ
    阿蘇地方では肥満など太ったときには、かきどおし・とうもろこしのひげの乾燥したものを煎じて、濃いめで飲むと身が引き締まり痩せることができるといわれ、実践したところ効果がありました(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)。しかし、痩せるためには、食事制限・運動・脂肪やコレステロールを減らすものや利尿効果の高いものを飲んだり食べたりすることは必須条件です。
  • とうもろこしの実
    ひどい便秘には、かきどおし・とうもろこしの実の乾燥したものを濃いめに煎じて飲むと効果的であるといわれています。地方によっては、げんのしょうことよもぎの乾燥したものを一緒に煎じて飲むとよいといわれています(熊本県阿蘇郡高森町)。
  • よもぎ+たらの木+とうもろこしのひげ
    のどがよく渇く、よく食べるが体重が減る、疲れるなどの症状があるときは、糖尿病の疑いがあります。人吉地方で開業医をされている老齢の先生に教えていただいた薬草の使い方で、よもぎとたらの木の乾燥したものを煎じて飲むと効果的で、これに、とうもろこしのひげとかきどおしの乾燥したものを一緒に煎じて飲むとさらに効果が高まると話してくださいました(熊本県球磨郡人吉地方)。
    その他、よもぎを主に、すぎな、かきどおしの乾燥したものを一緒に煎じて飲むと、糖尿病に初期であれば効果が期待できるといわれています(熊本県阿蘇郡高森町草部)。
  • よもぎ+どくだみ+アロエ
    できもの・怪我・火傷などには、かきどおし・よもぎ・どくだみ・アロエを焼酎で煎じた液を塗ると効果的だといわれています。
  • ※ 本サイトの情報は、民間薬草研究家・井澤敏の幼少時代からの経験や、熊本を中心に語り継がれてきた家伝・秘伝を収集し実践した内容をもとに、現代に合わせてわかりやすく編集したものを掲載しています。
  • ※ 本サイトの記述に基づいて利用される場合は、すべて自己責任の上でご利用ください。事故やトラブルに関しての責任は一切負いかねますので予めご了承ください。
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薬草の徒然日記

復員兵の疥癬退治に大活躍

私は蕁麻疹(じんましん)や水虫の痒み・喘息の咳に悩まされていましたが、『かきどおし』を生のまま水筒などに入れ熱湯を注いだものを持ち歩き、患部をそれでよく洗っていました。今ではお陰様で克服できました。 このような使い方を思…続きを読む

基本情報

生態的特徴 多年生草本で、明るい環境を好み日陰では生育量は低下する。
  • 国内分布:
    北海道、本州、四国、九州
  • 生育場所:
    野原、道ばた
  • 開花時期:
    4〜5月
形態的特徴 株全体に細かい毛があり、倒伏性であるのが特徴である。茎は四角でそう生し、はじめ直立し後に倒伏する.茎は長く伸長し、草丈5〜30cm、長さ1m以上に達し、葉柄およびがくともに開出する毛がある。葉は対生して長い葉柄があり、両面に少し毛がある.長さ1.5cm〜2.5cm、幅2〜3cmの腎形または腎心形、円頭で葉縁には波状の鋸歯がある.春先、長さ15〜25mmの唇形花冠で内部に濃紫色の斑点のある紅紫色の花を葉腋に1〜3個つける.小梗は短く短毛があり、がく裂片は長さ7〜9mmになる.上唇の約2倍の長さになる。果実は楕円形、円頭でわずかに扁平になる.腹面に鈍稜があり、長さ1.8mmで微に凹凸があるが、やや平滑である. 春の萌芽後から開花期まで茎は横に伸び、5月下旬から開花が始まると茎は直立して草丈は30〜50cmとなるが、花が終了すると倒伏して横に伸びる。直立した茎に付く葉は幅3〜4cmになり、横に伸びる茎に付く葉(幅2cm前後〜それ以下)に比べて大きい。
生薬名 連銭草(レンセンソウ)
生薬成分 essential oil,tannin,triterpene,palmitic acid,amino acid,bitter substance,choline など
用途 利尿,鎮咳,消炎,解毒薬
出典 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 薬用植物総合情報データベース(http://mpdb.nibiohn.go.jp/
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