herb

まこも

学名
Zizania latifolia L.
科名
イネ科
別名
花勝美(ハナガツミ)、伏柴(フシシバ)、許母・許毛(コモ)、カスミグサ
昔から使われてきた利用効果
  • 肝機能
  • 利尿
  • 健胃・消化促進
  • 便通

5月下旬の葉

5月下旬の葉

水辺に群生し高さは2mにもなる

水辺に群生し高さは2mにもなる

真菰筍(マコモダケ)と呼ばれる茎にできるコブ(黒穂菌に寄生されて肥大した新芽)

真菰筍(マコモダケ)と呼ばれる茎にできるコブ(黒穂菌に寄生されて肥大した新芽)

民間薬草研究家 井澤嵯壽のひと言

東〜東南アジアに広く分布しており、日本でも全国の水辺で見られます。古くは記紀神話や万葉集に登場し、紀貫之、西行、藤原定家、与謝野晶子、高浜虚子など各時代の文化人も歌や句に詠むほど身近な植物でした。万葉集巻第十一「真薦苅る 大野川原の 水隠りに 恋ひ来し妹が 紐解く吾は」は、まこもの引用によく使われている句です。

利用情報

採取時期 実(穎果):9月〜10月中旬、根・茎・葉:9月下旬〜10月下旬(実の採取後)
利用部位 根・茎・葉・実(穎果)
利用方法
  • 飲用
    採取した根・茎・葉を水で洗い刻んで、根・茎は日干し、葉は陰干しにします。完全に乾燥したら、お好みで焙煎(フライパンなどで煎る)します。飲みやすくなり長く保存できます。乾燥または焙煎したものを、薬缶で煎じるか急須に淹れて、お茶として飲みます。消化・利尿作用に優れているといわれ、便秘の改善、肝臓病・糖尿病の予防に使われてきました。
  • 食用
    実(穎果)は中華料理をはじめ、和食や洋食にも幅広く使われています。根・茎・葉は乾燥して粉末にしたものを和・洋菓子の素材とて利用できます。黒穂菌に寄生されて肥大した新芽は真菰筍(マコモダケ)と呼ばれ、食感・食味や香りがよく、茹る、焼く、炒めるなど色々な調理法で美味しくいただけます。
  • 浴用
    実験的に使ってみたところ、アレルギー体質の肌にはよさそうです。ただ、イネ科のアレルギーを持った方は用心のため、パッチテストをしてからの利用をおすすめします。
  • 塗用
    よもぎ・どくだみと一緒に煎じた液を下腹部に塗り温めます。消化不良・便秘の改善に使われてきました。
相性のよい薬草 よもぎ・どくだみ
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基本情報

生態的特徴 大型多年草で、沼沢に大群落をなして自生。
  • 国内分布:
    全国
  • 生育場所:
    水辺
  • 開花時期:
    夏〜秋
形態的特徴 高さ約1〜2m。葉は線形で、葉脈は平行。秋、茎頂に約50cmの穂を出し、上部に黄緑色の雌花、下部に紫色の雄花をつける。黒穂菌が寄生しやすく、秋になると寄生した黒穂菌の影響で根元の部分の茎が肥大する。
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