herb

くこ

学名
Lycium chinense Mill.
科名
ナス科
昔から使われてきた利用効果
  • 循環機能
  • 肝機能
  • 利尿
  • 解熱
  • 滋養強壮

くこの苗木

くこの苗木

5月下旬の柔らかい葉

5月下旬の柔らかい葉

民間薬草研究家 井澤嵯壽のひと言

阿蘇薬草園では昔、乾燥したくこの実を食べたい一心で、赤く実が熟した頃に採取し天日干しにしていたら、夜取り込むのを忘れ、雨に打たれて黒ずんでしまった思い出があります。この失敗は今でも忘れられないです。ちなみに、天日干しする前に、熱湯に浸けるか蒸すと、きれいな赤みが出て美味しくなるようです。

利用情報

採取時期 葉:夏、根皮・実:秋
利用部位 根皮・葉・実
利用方法
  • 飲用
    採取した根皮・実は日干し、葉は陰干しにします。完全に乾燥したら、お好みで焙煎(フライパンなどで煎る)します。飲みやすくなり長く保存できます。乾燥または焙煎したものを、薬缶で煎じるか急須に淹れて、お茶として飲みます。血圧降下・抗炎症・解熱作用に優れているといわれ、高血圧・糖尿病の予防、肝機能の改善、滋養強壮に使われてきました。
  • 食用
    実は生食、乾燥させてドライフルーツや薬膳粥の具などに使われます。また、砂糖と少なめの水で煮詰め冷蔵保存するのもおすすめです。
相性のよい薬草
  • よもぎ/とうもろこしのひげ/かきどおし/おおばこ/どくだみ/すぎな
    繁殖力が強く、利尿作用の高い薬草で補助すると効果的です。
注意すること
  • とげに注意
    鋭いとげがあるので、採取するときは厚手の革手袋を使って作業をしてください。
  • ※ 本サイトの情報は、阿蘇薬草園創業者の幼少時代からの経験や、熊本を中心に語り継がれてきた民間薬草の使い方を収集し、実践した内容をもとに、現代に合わせてわかりやすく編集したものを掲載しています。
  • ※ 本サイトの記述に基づいて利用される場合は、すべて自己責任の上でご利用ください。事故やトラブルに関しての責任は一切負いかねますので予めご了承ください。
  • ※ 不安な方や症状がひどい方は専門医の診察を受け、通院されている方は必ず担当医にご相談の上でご利用ください。

基本情報

生態的特徴 気候及び土壌環境に対する適応力は比較的高い。
  • 国内分布:
    本州、四国、九州、沖縄
  • 生育場所:
    河川の土手、溝の縁
  • 開花時期:
    8〜9月
形態的特徴 高さ1~2mの無毛の落葉低木。枝は直立せず叢生し、垂れ下がる。葉腋に短枝の変化した剌針を付ける。葉はだ円形~狭長だ円形で基部が狭くなって短柄となり、長さ2~4cm、幅1~2cm、全縁、軟質である。夏の頃、長さ 1~1、5cmの花を葉腋に付け、花がくは3中裂あるいは4~5歯裂し、花冠は淡~濃紫紅色の漏斗状で先端はやや深く5裂し、基部には暗紫紅色の脈がある。雄ずいは抽出し、花糸は基部付近に白色毛を叢生する。果実は卵形~狭卵だ円形で長さ1、5~2cmの液果、紅熟し、多くの種子がある。
ナガバクコはクコに似た樹形を呈し、葉はひ針形~長だ円状ひ針形、長さ2~3cm、幅4~6cmでやや肉質である。花は長さ1~2cm、花がくは通常2中裂し、花冠は淡紫紅色の漏斗状である。果実は球形~広だ円形で長さ0、8~2cm。紅熟し、ときには橙黄色のものがある。種子はクコより小さい、樹形あるいは樹冠は剪定や整枝により、さらには樹齢により多様な形態を示す。栽培化により生育環境の変化や優良系統の選抜が加わるため葉形や果形が変わり、葉長は10cmを超え、葉幅はクコで4cm、ナガバクコでは葉幅2cm、果実長は2cm程度と大型化する。
生薬名 枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、地骨皮(ジコッピ)
生薬成分 カロチノイド(zeaxanthin(果皮の紅色色素),physalien など)、 betaine、β-sitosterol、linoleic acid など
用途 枸杞子:除風,補精気,益気の作用があり、虚労、心病に応用される
枸杞葉:血圧の低下作用などがありクコ茶にする
地骨皮:抗炎症作用、解熱作用など
出典 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 薬用植物総合情報データベース(http://mpdb.nibiohn.go.jp/
image
読み込み中