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とうもろこし[玉蜀黍]

とうもろこし

学名
Zea mays L.
科名
イネ科
別名
唐黍(トウキビ)
昔から使われてきた利用効果
  • 循環機能
  • 肝機能
  • 腎機能
  • 抗菌
  • 肥満予防
  • 脚気

7月中旬の阿蘇とうきび畑

7月中旬の阿蘇とうきび畑

太陽を浴びて成長中

太陽を浴びて成長中

9月初旬はひげの採取時期(実を収穫する場合は同時に採取)

9月初旬はひげの採取時期(実を収穫する場合は同時に採取)

ひげは糸絹と呼ばれる長く伸びた雌しべ

ひげは糸絹と呼ばれる長く伸びた雌しべ

9月下旬から実の採取がはじまる

9月下旬から実の採取がはじまる

採取した実はよく乾燥させる

採取した実はよく乾燥させる

阿蘇とうきびは実が大きく硬い

阿蘇とうきびは実が大きく硬い

民間薬草研究家 井澤敏のひと言

あまり知られていませんが、とうもろこしは昔から阿蘇を代表する農産物です。地元では「唐黍(トウキビ)」と呼び、秋から冬にかけて軒先に吊るされている風景をよく見かけたものです。とうもろこしの最も古い日本への伝播は16世紀末といわれています。阿蘇地方には、元禄15年頃(18世紀初頭)に、四国よりお遍路さんが持ち帰り、主食として昭和25年頃まで食されていたようです。阿蘇地方のとうもろこしは「大でっち、中でっち、小でっち、八列早生(やっつるわせ)」などの複数の品種があり、阿蘇の風土・気候により実が赤くなるのが特徴で「赤とうきび」と呼ばれています。

利用情報

採取時期 ひげ:8〜9月、実:9〜10月
利用部位 ひげ・実
利用方法
  • 飲用
    採取したひげ・実は、日干しにします。完全に乾燥したら、焙煎(フライパンなどで煎る)し、薬缶で煎じるか急須に淹れて、お茶として飲みます。利尿・血圧降下作用に優れているといわれ、むくみの改善、腎臓病・肝炎・高血圧の予防に使われてきました。
  • 食用
    実は、米粒の大きさにひき割り、白米と一緒に炊きます。見た目もきれいで美味しくいただけます。
  • 浴用
    乾燥した実を粉末にしてお風呂に入れると、香ばしい香りに、つるつる肌が楽しめます。
相性のよい薬草
  • よもぎ
    血圧が高いときに肩こりや後頭部が痛くなることがあります。そんなときは、乾燥したとうころこしのひげを一緒に煎じて飲む利用例が熊本県(阿蘇地方)と大分県(九重地方)にあります。
  • よもぎ+またたびの実
    心臓が悪いときは、とうもろこしのひげ・よもぎ・またたびの実(虫癭果と呼ばれるデコボコした形状)の乾燥したものを一緒に煎じて飲むと軽くなるといわれています。1.8Lの水に各1つかみづつ入れ、3分の1になるまで煎じて、そのまま、薄めて、お茶がわりになど、好みに合わせて飲んでよいとされています(熊本県阿蘇郡小国町)。不整脈や動悸が原因で、体を少し動かすと疲れる・体のむくみが気になるときに、よもぎ・なずな・すぎな(きささげ・とうもろこしのひげを使う場合もあった)の乾燥したものを煎じて飲む地方があります(熊本県上益城郡山都町、五家荘地方、五木地方)。
  • よもぎ+たらの木
    肩がこる・背中が痛む・ムカムカと吐き気がある・だるい・根気がないなどの症状があるときは、肝臓が悪い可能性があります。そんなときは、とうもろこしのひげ・よもぎ・たらの木の乾燥したものを一緒に煎じて飲むとよいそうです。また、肝臓病の黄疸には乾燥したくちなしの実を加えて飲むと効果的です(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)。
  • よもぎ+たらの木+かきどおし
    のどがよく渇く・よく食べるが体重が減る・疲れるなどの症状があるときは、糖尿病の疑いがあります。人吉地方で開業医をされている老齢の先生に教えていただいた薬草の使い方で、よもぎ・たらの木の乾燥したものを煎じて飲むと効果的で、これに、とうもろこしのひげとかきどおしの乾燥したものを一緒に煎じて飲むとさらに効果が高まると話してくださいました(熊本県球磨郡人吉地方)。
  • かきどおし
    阿蘇地方では肥満など太ったときには、とうもろこしのひげ・かきどおしの乾燥したものを煎じて、濃いめで飲むと身が引き締まり痩せることができるといわれ、実践したところ効果がありました(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)。しかし、痩せるためには、食事制限・運動・脂肪やコレステロールを減らすものや利尿効果の高いものを飲んだり食べたりすることは必須条件です。
    ひどい便秘には、とうもろこしの実・かきどおしの乾燥したものを濃いめに煎じて飲むと効果的であるといわれています。地方によっては、げんのしょうことよもぎの乾燥したものを一緒に煎じて飲むとよいといわれています(熊本県阿蘇郡高森町)。
  • ※ 本サイトの情報は、民間薬草研究家・井澤敏の幼少時代からの経験や、熊本を中心に語り継がれてきた家伝・秘伝を収集し実践した内容をもとに、現代に合わせてわかりやすく編集したものを掲載しています。
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基本情報

生態的特徴 一年生作物で、多日照でやや高温の環境を好む。
  • 国内分布:
    九州
  • 生育場所:
    栽培
  • 開花時期:
    6〜7月
形態的特徴 茎は1〜3mで直立。葉は互生し幅5〜10cm、長さ約1m。雄花穂は茎頂に、雌花穂は葉腋につき、包葉に包まれて顔を出さず、絹糸と呼ばれる長い雌しべだけが束になって包葉の先から顔を出す。とうもろこしのひげはこの雌しべにあたる。
生薬名 南蛮毛(ナンバンゲ・ナンバンモウ)、玉米鬚(ギョクマイシュ)
生薬成分 硝酸カリウム、シトステロール、スティグマステロ-ル、グルコース、ガラクタン、ビタミンA・B・Kなど
用途 腎機能の改善、むくみ、黄疸、肝炎、胆のう炎、胆血石、糖尿病、利尿作用、血圧降下、末梢血管拡張作用
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