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  • 井澤敏の薬草小話

しゃっくりには柿のヘタ

私が中学1年の秋頃の話です。
昼休みから夕方まで、しゃっくりが止まらず苦しんでいました。おばあちゃんは見るに見かねて、大きな湯呑に柿のヘタを入れ熱湯(または番茶)を注ぎ、湯呑に箸を十文字に置いて4つの飲み口をつくりました。そして、箸で分けられた飲み口から順序良く飲むように言われ指示通りに飲んでいると、4分の3ほど飲んだら不思議としゃっくりが止まったのです。こんな簡単な呪い(まじない)みたいな方法で治ったことにとても驚いたことを覚えています。

茶碗に柿のヘタ

月日は流れ大人になり、薬草薬学の造詣を深めていくうちに、柿のヘタがしゃっくり止めとして漢方薬に使われていることを知りました。
柿のヘタは生薬(漢方薬の原料)として用いられ、柿蒂(してい)と呼ばれています。成熟した柿の実のヘタを使います。柿蒂・丁香・生姜などの生薬が入った柿蒂湯(していとう)という漢方薬は、しゃっくりの特効薬として千年以上前の中国・宋の医学書にも載っているそうです。
しゃっくりは横隔膜などの痙攣で起きますが、昔から胃の冷えや熱で内臓に負担がかかることが原因の1つではないかといわれています。あの頃はただの「おばあちゃんの呪い(まじない)」ぐらいに思っていましたが、改めて「おばあちゃんの知恵はすごい!!」と感嘆してしまいます。

柿蒂

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